日本赤十字北海道看護大学

災害対策教育センター

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災害対策研究

厳冬期避難所展開・宿泊演習2016が開催されました。

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平成28年1月16~17日にかけて、本学災害対策教育センター主催による“厳冬期避難所展開・宿泊演習2016”を行いました。この演習は2010年から継続的に実施しているもので、真冬の停電時にどのようにして避難所を設営するかを目的にしています。道内外の赤十字スタッフをはじめ、国・道・市町村の防災関係担当者109名により真冬の北見を舞台に展開しました。


マイナス10℃以下となる屋外では、炊き出しさえも困難となります。ティピーという特殊なテントは、内部に薪ストーブを設置することにより45分で20℃の空間を作り上げることができました。
 

体育館内では、自治体のほとんどが使用しているブルーシート敷設の演習や、アルミマットの効果を検証しましたが、約0℃の床面ではそのまま眠る場所としては厳しいことがわかりました。
 

今回初めて展開した暖房シェルターは30分で展開可能な「温室」です。体育館上部のキャットウォークに常設したウィンチにより、シェルター幕体を引き上げ、横幕を設営することによって暖房をかけることができる天井の低い空間を創り上げることができます。シェルターを分割することによって男女もしくは、感染症対策として活用が可能で、通常のテントにある「脚」が存在しないため、大規模空間の最大限の活用が可能となりました。
 

食の提供では、参加者全員でカセットコンロによる炊き出しを実施しました。ハイゼックスを使用したうどんの作製は温かさを提供する上では有用でしたが、量の不足が課題となりました。


さらに、今回導入したものがダンボールベッドです。東日本大震災を機に開発された資材で、現在まで約5000台が様々な避難所、仮設住宅で使用されています。避難所の雑魚寝は、心身に大きなダメージを与えます。特にエコノミークラス症候群の予防には簡易ベッドが重要であることが見いだされています。今回の演習における本ベッドの使用の目的は、「耐寒性能」を検証することにあります。暖房シェルターにびっしりと約100台のダンボールベッドを敷設し、約70人がその中で就寝を試みました。また15人はシェルターに入らず、暖房のない場所でのダンボールベッド就寝を試みました。昨年までの床面にアルミマットを敷設した場合と異なり、今回はほとんどの参加者が「温かく」就寝することができたとの感想が挙げられ、ダンボールベッドの有用性が明らかとなりました。