2008-07-18
「国際交流の集い:フィリピンの小さな診療所から」を開催しました。
 演者:助産師の冨田江里子氏。
 当日は平日夜の時間帯にもかかわらず213名の参加数で、外部からも50名弱の参加がありました。冨田さんはマニラから北へ100km離れた低所得者層の地域で、無料の診療所活動を長年に亘って実施しています。そこでは出産だけではなく、看護師として病気への対応も求められ、病院で見放されたお金のない住民にとってはなくてはならない存在ともいえます。
 現地に根ざした活動から、「途上国と呼ばれる枠組みには、代名詞的に『可哀想』『貧困』『不潔』『劣悪な環境』など、結構ネガティブな表現が付きます。しかし、その実際を想像できますか?」と彼女は問いかけます。
 衣食住のどれをとっても決して豊かとはいえず、やはり物質的な貧しさを感じました。ただ、物質的に貧しいことが不幸せなのでしょうか。多少の傷や病気があっても生きることへの逞しさ、喜びや悲しみをそのままに表す「ひと」としての純粋さ、困ったときは素直に援助を求め、援助の手を自然にさしのべることができる人間関係etc.
 彼らの生活の様から、豊かであるはずの日本の方が実は生きにくく、「ひと」をひ弱にしている面もあるのではと、日本の生活を見直すひとときともなりました。参加者も様々な感想をもったようで以下はその一部です。
日本での楽な生活が世界の状況を悪くしている実態があって「目の前のことだけではなく、それをすることで何が起きているのか」もっと冷静に広い視野を持ちたいと思った。お金にとれわれることなく、人のために働いている冨田さんは「本当にすごい」。
国際協力について、自分は興味があったし現状も知っているつもりでいたが、疑うことなく受入れていた情報が、どれだけ歪んだ知識となるのか、今まで信じていたものがくつがえされた思いもあり、疑うことから始めることの必要性を感じた。

閉じる