2011-12-21
公開座談会
「3.11東日本大震災からの学び〜被災者の目線で減災を考える〜」を開催して

座 長:成人看護学領域 准教授 尾山 とし子


 平成23年11月5日(土)、本学において、東日本大震災の支援活動を経験された4名の方をお招きして公開座談会を開催いたしました。

 3月11日に発生した東日本大震災は、日本中を震撼させるだけでなく、世界中に衝撃をもたらしました。そして、誰もが被災地のために何かしなくてはという気持ちを持ったと同時に、誰もが被災者となり得るという教訓を得たのだと感じさせられました。 災害が少ないと言われるオホーツク管内からも、現地へ向けて支援の手が差し伸べられました。
 今回の公開座談会では、オホーツク管内から現地へ派遣された医療、行政、ボランテイア(社会福祉協議会)の方々の支援活動を通して、学んだこと、感じたこと、今後の課題などを語っていただきました。そして、参加者の皆さまと共に、3.11からの教訓をどのように日常生活で活かしていったらよいのかを考える機会としました。
 医療救援活動においては、劣悪な環境の中で感染症を予防する工夫やオホーツク絆プロジェクトにおけるコミュニティの作り方、巡回健康相談で出会った認知症の方との対話から気づかされたこと、さらに、現場ニーズとボランテイアとのマッチング業務など、様々な活動が発表されました。発表後には参加者のみなさんから、北見市の備蓄、防災に関するハード面の対応や人的組織の運営等についての質問や意見が出されました。中でも市内の高校生から「今まであまり考えていなかった災害への備えについて考えさせられ、参加して良かった。」との反応が聞かれ、閉会後も発表者に積極的に質問をしていたのが印象的でした。
 支援活動に派遣した各々の組織内では、活動報告がなされていると思いますが、いくつかの組織が参集しての報告は北見でも初めてだったのではないでしょうか。まさに、様々な組織が協働して、支援に当たることの重要性を示した形となりました。また、「人の命と暮らしを守る」ことは、支援を受けるという受身的な意識だけでは成り立ちません。自らも積極的に身近なところから取り組むことが大切です。被災地での報告を聞きながら、いかに災害時の状況をイメージして準備していくかが問われると思いました。
 河口学長が「実際の地震の時には、頭が真っ白でした。結局できたことは、訓練通りの事だけでした。ですから、訓練は大切なんです。」と開会の挨拶で話されましたが、今回の公開座談会も1つの訓練の形と言えるのではないでしょうか。
 被災地の1日も早い復興を心よりお祈りいたします。

 
 
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